月岡芳年による錦絵2点が入荷しました。

●芳年武者无類 『野見宿祢 當麻蹶速』
怪力で知られていた大和の當麻蹶速(たいまのけはや)と戦わせるため、垂仁天皇が出雲の野見宿禰(のみのすくね)を召し出して取り組ませ、野見宿禰が當麻蹶速の腰骨を折って勝利したとされた模様を描いた作品です。
この戦いは神話とされ、この2人の力比べが国技相撲の発祥と言われています。
また、この取組が最初の天覧試合とされています。

 

 

 

●近世人物誌 『近衛家の老女村岡』やまと新聞附録第14
本作品に描かれているのは、幕末の近衛家の老女「村岡局」こと、津崎矩子(つざき のりこ)です。
近衛忠熙に仕えて信頼を得、勤皇活動にも熱心で水戸藩家老・安島帯刀や薩摩藩士・西郷隆盛、勤王僧・月照、梅田雲浜などの勤王家と
盛んに交流しました。
そのため、尊王攘夷派を弾圧する「安政の大獄」により捕らえられ、京都町奉行所の厳しい取調べを受けた後、江戸に送られて押込30日に処せられました。
本作品では、縛り上げられ幕吏に尋問されている村岡局の様子が描かれており、その妖艶な構図が根強い人気を誇っています。