月百姿は、明治18年(1885年)から明治25年(1892年)にかけて刊行された全百枚からなるシリーズ作品で日本と中国の物語、詩歌、謡曲等から構想を得て様々な月の姿を表現した芳年の晩年の大作です。

本作品に登場する源経信は「大納言経信」としてその和歌が小倉百人一首にも選ばれた平安時代後期の公家・歌人です。画賛にあるように「唐衣打つ音聞けば月清み まだ寝ぬ人を空に知るかな」と経信が詠んだところ、音の正体は鬼だったという説話を題材にした作品です。
その後、風流のわかる鬼は「北斗星前横旅雁 南楼月下擣寒衣」と漢詩で応えたとされています。

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