■魁題百撰相 『森力丸』 月岡芳年筆

●森力丸は兄の森蘭丸と共に織田信長の側近として仕え、
 本能寺の変に於いて最後まで明智軍に対し奮闘しましたが、
 主君,兄と共に討ち死にしました。
●「魁題百撰相」は明治元年から明治2年にかけて刊行された全100枚からなるシリーズ作品です。
 制作当時は戊辰戦争の真っ只中であり、戊辰戦争を錦絵の題材にすることは政府から禁じられていました。
 芳年は弟子達と共に戊辰戦争の戦いの一つである上野戦争の取材に赴き、新政府軍の前に無残に敗れゆく彰義隊の若者たちの姿を目の当たりにし、彼らを歴史上の勇士に見立て、本シリーズを描きました。現地取材に裏付けられた凄惨な表現が真に迫る作品です。

 

■狂斎百図 河鍋暁斎筆

文久3年から慶応2年にかけて刊行された、故事・ことわざを題材にした全104枚からなるシリーズ作品で、町人と妖怪たちがユーモラスに描かれ、刊行当時、大変な人気を博しました。